小山市役所都市整備部 佐久間幸男さん・関口政克さん インタビュー

定住人口が増加し開発が進む小山駅周辺エリア。「住んでみたい!」まちづくりをリードする小山市役所の取り組みとは

小山市は、豊かな自然と深い歴史を有する街で、都心からわずか60キロほどの、新幹線も停車する栃木県南の交通の要衛だ。同市では街に人を呼び込むため、駅周辺の開発をリーディングプロジェクトして街づくりに積極的に取り組んでいる。今回は、小山市役所都市整備部の佐久間幸男さんと関口政克さんに、駅周辺の整備事業について、そして小山市の魅力について話を伺った。

お話を伺った佐久間さんと関口さん
お話を伺った佐久間さんと関口さん

大規模工場の撤退を好機ととらえ、駅周辺開発をスタート

――「小山駅東口周辺土地利用推進事業」について教えください

関口さん:2000(平成12)年9月に、JR「小山」駅東口にあった「日本製粉株式会社」が移転をして、駅前に約5haもの広大な空き地が生じました。これを機に、市では定住促進と市街地活性化、コンパクトシティの建設を図るため、人と企業を呼び込む施策を開始しました。2002(平成14)年度には国土交通省の助成を受けて、「小山駅周辺地区のまちづくり」をスタート。元々工場があり、西口と東口の駅前広場の位置がずれていたことから、2004(平成16)年に駅東口広場とそのアクセス道路の整備に着手。長きにわたり分断されていた駅東西の市街地を一体化させるため、中央自由通路(さくら道)の整備を進め、2012(平成24)年6月に開通、2014(平成26)年3月には「小山駅東口新駅前広場」がグランドオープンしました。

基本ゾーニング図
基本ゾーニング図

関口さん:整備を進めていく中で、東口周辺には依然として旧駅前広場用地など大規模低未利用地が存在していました。市ではこれらの土地利用の推進・誘導は市の発展に欠かせないものと考え、一体的に整備推進を図るべき基本方針として、2014(平成26)年3月に「小山駅東口周辺土地利用推進事業」を策定しました。「小山駅東口周辺土地利用推進事業」では、施設集積状況や機能分布状況及び開発動向から東口周辺地区を「商業・街なか居住ゾーン」「構想重点検討ゾーン」「商業・サービスゾーン」「文教ゾーン」「商業・公共施設・街なか居住ゾーン」の5つのゾーンに分類して、駅東口の顔づくりと魅力と賑わいのある街の再生を誘導してきました。その結果、駅前には「白鴎大学」のキャンパスや、家電量販店の「ヤマダ電機」、ビジネスホテル等が進出。マンション建設も進み、1,600人以上の人口が増加し東口の姿が大きく変化しました。

中央自由通路(さくら道)
中央自由通路(さくら道)

利便性が高い駅東口エリア。定住人口の増加がまちづくりの要に

――「駅東通り一丁目第一地区市街地整備事業」について教えください

関口さん:「小山駅東口旧駅前広場」は市有地であり、「小山」駅に隣接していることから非常に利便性も良く、その利用価値が高い場所です。この立地利便性を最大限に活用し、人と企業を呼び込む施策の推進を図るため、周辺の開発の先導的役割を担う事業として、「小山」駅前に相応しい良好な街並みや良質な市街地住宅の供給促進等を行うのが「駅東通り一丁目第一地区市街地整備事業」です。

整備が完了した東口駅前の様子
整備が完了した東口駅前の様子

関口さん:敷地内に緑地や広場、歩行者空間など、良好な市街地整備を推進するとともに、利便性を活かした生活空間として住居施設や商業施設、市民の利便性向上を図るための公共公益施設を含めた中高層建築物を計画し整備を進めていく事業になります。2017(平成29)年度は、事業施行者となる「大和ハウス工業株式会社」と基本協定を締結し、駅前保育園を含めた建築基本設計及び実施設計を進めてきました。現在は建築工事に着手しており、2020年の完成を目指して事業を推進、建物は駅東エリア開発の「商業・公共公益・街なか居住ゾーン」の位置付けで、地上17階建て135戸の住宅と商業と子育て支援施設などの公共公益施設が入居します。

駅東通り一丁目第一地区市街地整備事業
駅東通り一丁目第一地区市街地整備事業

佐久間さん:市では定住人口を増やすことを重点的なプロジェクトとしています。商業があるから人が集まるのではなく、人が住む生活空間があるから商業が成り立つと考えています。市では今後も新しい駅前空間の効果を波及させるために、住んでみたい、住み続けたいと思える街づくり、便利で活力ある街を整備していきたいと思っています。

佐久間さん:また、整備を進めるなかで、多くの人々が集うことのできるホテルや会議、公演会等を開催できるコンベンション施設の誘致について強い要望があがっています。2017(平成29)年4月には、小山商工会議所、市内3商工会、地元自治会等と協働で、「小山駅東口周辺コンベンション誘致促進プロジェクト評定」を設置し、民間活力によるコンベンション機能付きホテルの誘致に向けた取り組みを開始しました。今後は、、誘致に向けて先進地での整備事業手法等を参考にしながら、各関係者との意向調整を図りつつ、具体的な検討を進めていく予定です。

取材の様子
取材の様子

駅前に相応しい街づくりが、住みたい街の基礎になる

――そのほかの駅周辺の整備事業についてもお聞かせください

関口さん:「小山駅西口地区」では、駅に近いという利便性を最大限に活用して、生活空間としての整備により定住人口を増やす「街なか居住推進事業」を積極的に展開しています。そのリーディングプロジェクトとして進めてきました「城山町三丁目第一地区再開発ビル『城山・サクラ・コモン』」が2013(平成25)年に完成し、約340人(住居133戸)の定住人口を増やすことができました。こちらの建物の2階フロアには、小山市初となるビルインの認可保育所があり、子育て世代に大変人気となっています。

「城山・サクラ・コモン」
「城山・サクラ・コモン」

関口さん:西口エリアは少子高齢化等の社会環境の変化に伴い過疎化が進み人口が減少、自治会の祭りでは子供神輿が出せないという事態も起こり始めていました。しかしこのプロジェクトにより、この5年間で「城山町三丁目第一地区再開発ビル『城山・サクラ・コモン』」では33人もの新生児が誕生。街には子どもたちの元気な声が聞こえるようになり、自治会の子供神輿も復活するなど街は活気を取り戻しています。2018(平成30)年秋には「城山町二丁目第一地区」の建築工事も着手予定となっており、西口駅前広場の北側と西側に隣接する「城山町三丁目第二地区」の再開発も、具体的な方策等について現在検討・協議中です。市では今後も「街なか居住」の推進を積極的に行なっていきたいと考えます。

「小山」駅西口の様子
「小山」駅西口の様子

佐久間さん:西口には昔ながらの街並みが残っており、活用できる土地の広さも様々です。市と地権者が協働して土地の有効活用法や再開発の仕組み、税制等を話し合い、慎重にまちづくりを進めていきたいと思います。初めて小山を訪れた人たちは、駅を出て最初に見た街の景色が街のイメージになりますので、街の見え方を大切にプロジェクトを進めていきたいと考えます。東口も西口も「小山」駅前に相応しい街を作っていくことで、一人でも多くの人が小山市に住んでみたい、小山市っていい街だよね、と思っていただける街づくりを進めていきます。

「小山市役所」
「小山市役所」

住みやすい、住んで良かったと思える街

――最後に小山市の魅力についてメッセージをお願いします

関口さん:小山市は新幹線をはじめ、交通網の発達によるアクセスの良さ、整備された道路や街が最大の強みで魅力だと思います。今後の小山市は、街の拠点となる「小山」駅をどのように活用していくかがキーポイントとなります。これからも「小山」駅前が街の顔になれるような街づくりをしていきます。

佐久間さん:小山市は年間を通じて温暖な気候の街です。防災面に関しても、台風や地震などの自然災害も少なくとても住みやすいです。住んで良かったと思える街ですので、ぜひ小山市にお越しください。

小山市 都市整備部 新都市整備推進課

佐久間 幸男 さん(右)・関口 政克 さん(左)
http://www.city.oyama.tochigi.jp/soshiki/49/
※この情報は2018(平成30)年5月時点のものです。